<消化のための準備運動とは>
体を動かす前の準備運動と同じように、食事の際に栄養の消化分解や吸収をスムーズに進めるための
消化の準備運動があるのをご存知ですか?
特別なことではなく、食べる前に食事行動についての「五感を働かせること」。
それが消化の準備運動になるんです ☆.。.:*・
<消化のしくみ>
私たちの体は60兆個の細胞の集合体。
その細胞一つ一つが活動するための力は口から取り入れる食べ物と飲み物から得ています。
食べ物を歯で噛んで、細かく砕く口腔内の「咀嚼」から始まり、
食道から胃(食べ物を粥状にする)へ、そして小腸(栄養を吸収する)と大腸(水分を吸収する)が
消化に関わる臓器です。
大腸の最終出口が肛門で、体にとって不要なもの、腸内細菌の死骸、腸の細胞の代謝物などが
便となって体外に排泄されます。
<胃酸は消化分解の火付け役!>
食べ物の消化分解・吸収の過程で胃から分泌される消化液が胃液です。
胃液には胃酸が含まれており、その強い酸性によって胃腸内の殺菌や
胃内での消化、さらには小腸での栄養の吸収にまで影響を及ぼすため
胃酸は消化分解の火付け役と言われています。
胃酸の分泌量と酸度が十分であることがスムーズな消化分解・吸収の
重要なポイントです。
<食べ物を口に入れる前から食事は始まっている>
胃酸の分泌は、食べ始めてからだけでなく、「今日は何を食べようかな~」と想像したり
料理の美味しそうな匂いを感じたりする脳からの刺激でも分泌が始まります。
視覚、触覚、聴覚を含めた五感を刺激する行動が胃酸の分泌に
スイッチを入れてくれるのです ☆.。.:*・
そして、もう一つ丁寧な咀嚼、「よく噛むこと」も胃酸の分泌を促進します。
咀嚼が十分でない場合は、その分内臓の負担が増えてしまいますし
咀嚼には満腹中枢を刺激して食べ過ぎを予防する効果もあります。
<自分力を高めよう!>
胃酸の分泌能力は20歳ごろが一番高く、その後は年齢と共に減少してゆくので
年齢を重ねるにつれて、臓器の能力を補う食事行動が大切になります。
食品の機能性や安全性ばかりに目を奪われがちな現代ですが
その前にまず、自分力(自分の消化・分解、吸収力)を高めることが
大切だと感じます。
私たちの消化活動は心や体がリラックスしている状態の時(副交感神経が優位の時)のほうが
消化能力も高まります。ですから、食事に集中しない「ながら食べ」や
イライラした気持ちで食事を取ることはなるべく減らしたいものですね( ✿˘︶˘✿ ).。.:* ♬*゜